2024年6月30日日曜日

ハイドン作曲 交響曲第84番変ホ長調

 

ハイドンは稀代のヒットメーカーです。

 ハンガリー貴族エステルハージ家のために音楽を作っていたハイドンが、フランスからの依頼により作曲した6つの交響曲のうちの一つが交響曲第84番。パリに新しくできるオーケストラのためにつくられた6曲は「パリ交響曲」と呼ばれています。

 エステルハージの侯爵はハイドンを大層気に入っていたようで、そんなホームな環境下でハイドンは創作を続け、新しいことにもチャレンジし人気を得ていきました。

そしてエステルハージ家以外にもその人気が広まり、遂に、他国フランスからの作曲依頼。まさに海外進出。ハイドン、新しい聴衆にも楽しんでもらえるようにと今までとは一味違う意気込みで作曲に取り組んだのでは、なんて邪推してしまいます。

第1楽章 ラルゴからのアレグロ

第2楽章 変奏曲

第3楽章 メヌエット

第4楽章 ヴィヴァーチェ

  どの楽章も思わず口ずさみたくなるメロディでできています。長く仕えたエステルハージ家以外の聴衆を念頭に作られた新曲ということで、まずは第一印象で好感を持ってもらおうということでしょうか。そのメロディが明暗、強弱、調性を変えて展開していきます。もちろん、ハイドンお得意のちょっと変化球も交えながら。

フランスのみならず、ウィーンやロンドンでも人気を博し、エステルハージ家だけでなく世界に通じるヒットメーカーの証となったのが「パリ交響曲」と言えるのではないでしょうか。

 

 

JYDコレギウム・ムジクムはバッハのカンタータなどの宗教音楽を中心に、教会を主な演奏会場として活動する小さな小さな演奏団体です。

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