2024年7月6日土曜日

J.S.バッハ作曲カンタータ第99番「神のみわざはすべて善し」

 バッハがこのカンタータを作曲したのは1724年。この時期、バッハはライプツィヒのトーマスカントールとしてキリスト教音楽の指導者の職についており、教会音楽を中心とした幅広い創作活動を続けていました。

 

Wa Gott tut, das ist wohlgetan 」というタイトルを持つカンタータはBWV9899100と3曲あります。「神への信頼」というのは大事なテーマであったのだと思われます。

その内容を、高畠先生の訳詞で紹介します。

 

1)コラール(合唱 )

神の行なわれる御業は、全て良きもの

その御心は常に正当なもの

神が私のことをどのように扱おうと(導こうと)

私はあなたに従います

あの方は私の神

困難のなかにあっても

私を支えてくれる術をまさしくご存知です

なので私は一切を委ねます

 

2)レチタティーヴォ(バス)

神の言葉は真実で間違いなく

決して私を欺かない

ゆえに神を信ずるものは堕落することも

滅びる事もない

だからその言葉は私に生命への道を感じさせ

私の心を捉え得心させる

父なる神の真実と慈しみ

そして寛容によって

私に災難が襲おうとも

神は彼の全能の御手をもって

私の災厄を覆してくださる

 

3)アリア(テノール)

ひるむな、弱き我が魂

たとえ十字架の杯が苦くとも

神こそ主の知恵ある医者にして奇跡な方

あなたに致命的な毒を(杯に)注ぐことはない

甘味を密かに入れることはあっても

 

4)レチタティーヴォ(アルト)

あなたと結ばれた永遠の契約が

私の変わらぬ信仰の礎です

彼は確信を持って語ります

死の時も生ける時も

神こそ我が光

私はあなたに私を委ねます

そして日々もたらされる

同じような苦しみや

耐え続けなければならない苦難に

充分涙を流し切った時

ついには救いの時が訪れ

神の誠の想いが現れるのです

 

5)二重唱(ソプラノ、アルト)

十字架の苦しみと

肉なる人の弱さが相剋するなら

それもやはり主の御旨にそうこと

その十字架を間違った思い込みによって

自分には耐えら得ないと思うものは

この後も悦びに預かることはないでしょう

 

6)コラール(合唱)

神の行なわれる御業は、全て良きもの

なので私はいつまでもそこに身を置きます

たとえ厳しい道を私が厳しい道におかれても

苦難、死そして不幸に追い詰められても

神は私を

父なる愛をもって

その御腕の中に抱きとめて下さる

なので私は一切を(神に)委ねます

JYDコレギウム・ムジクムはバッハのカンタータなどの宗教音楽を中心に、教会を主な演奏会場として活動する小さな小さな演奏団体です。

夏のコンサート2025ありがとうございました

 JYD・コレギウムムジクム夏のコンサート2025 無事、開催することができました。 たくさんの方のご来場、ありがとうございました。 次回演奏会が決まりましたら、このブログで案内させていただきます。 引き続き、よろしくお願いいたします。